HSBCブラジルオープンを部分的に売却した話は書きましたが、野村のNEXT FUNDS ブラジル株式指数・ボベスパ連動型上場投信(1325)というETFへ乗り換えを検討しています。
目的はコストを下げるためですが、全部乗り換えるほど日本上場の外国株連動ETFを信用していません!
ブラジル株投信で一番資産額が大きいのはHSBCで1051億円の純資産です。
一方、ETFは純資産45億円で1/20以下となっています。
ETFが日本に根付いていないことの証左かもしれません。
アクティブ運用の投信は、ファンドマネージャーの裁量で売買を行いインデックスを上回る努力をしてますが、実はインデックスと似たような銘柄を組み込んで大きく乖離しないようにしていることはよく知られています。
従って、高いコストを払ってアクティブファンドを買わずにインデックス投信かETFを買った方が平均的にはリターンが高いという統計結果もよく知られています。
しかしながら、このHSBCブラジルは積極的に中小型銘柄を組み込んでいるので珍しくアクティブファンドらしい男前な運用をしています。
それが裏目に出て、リーマンショック辺りまではインデックスを下回るパフォーマンスでしたが、最近は改善されているようです。
これが、HSBCブラジルも残しておきたい理由の1つです。
日経平均のETFを買えば225社に分散投資できますが、ボベスパ指数は60社程度で構成され、石油大手ペトロブラスと鉄鉱大手ヴァーレの2社だけで指数の30%程度を占めています。(データ古いかも?)
ブラジルETFを10万円で買っても、そのうち3万円は大手2社に投資されていることになり、実はあまり分散投資になりません。
(中国等の新興国指数には同様の傾向があります。)
HSBCブラジルはこれを考慮して大手2社に配分が偏らないように運用しているので、ある意味インデックス指数の偏りリスクを抑えていることになります。
ETFに全部移さないもう一つの理由は、日本上場の外国株ETF全体に言えることですが、指数と連動できていない!・・orz.
この辺りを書くと長くなるのですが、運用側の運用能力(&態度)が低いと思われます。
指数に連動しないETFって商品として欠陥があるので売ってはいけないでしょう。
その中でもノムラの運用はかつて中国A株で大失態を演じて経験も積んだし、マシな方だとは思います。
連動しない一例を取り上げてみます。
<対前月増減率>
6月末 7月末
ボベスパ指数(円換算):-1.4% 9.7%
ブラジルETF :8.5% 0.4%
HSBCブラジル :3.6% 9.3%
月末で数字を取っていますが、1日程度はズレが生じる可能性もあるので細かいことは気にしないで下さい。
しかし、指数とETFの増減率は6月と7月は逆じゃないのと言いたくなるほど明らかにおかしな乖離を示していますね。
実は6月中ずっとETFは指数に対して上に乖離していました。
7月にETFがほとんど上昇していないのは指数に合わせる為に売り玉で調整されたと考えられます。
つまり、6月に買うと意味不明に指数より高値で掴む羽目になります。
6月はこのETFで一番出来高が大きかった月なので、買い玉が多すぎて指数に合わせられなかったと推測されます。
こんなに乖離しては困るのですが、逆に下に乖離すれば意味不明の安値で買えることにもなります・・。
昨日の時点では逆に基準価額に対して取引価格が4.3%下回っています。
将来的により連動するという保障はどこにもないので、これらを理解した上でETFを購入する必要があります。
因みに7月末時点で3カ月・半年間の上昇率を比較すると、
指数(円換算):3カ月+29.7%、半年+82.4%
ETF :3カ月+30.4%、半年+77.6%
と、まあまあですかね!?
(因みに凄い上昇率ですが、それ以前の下落率も半端ないですよ!)
このように頼りないですけど、
①長期で見れば乖離は解消される(保障はない)、
②基準価額より安いタイミングで買い付ける、
③売る時も基準価額より高いタイミングを計る、
という前提で、私は低コストのETFをなんとか有効活用するつもりです。
[←参考になりましたら一押し。m(._.)m]
コメント
日本上場に限らず、新興国のETFは怪しいところのものがいくつかあるようですね。
ブラジルだと代表的なEWZも乖離率が激しいようですし、指数との連動性については疑問視した方がよいのかもしれません。
何故なんでしょうね?
日本のブラジルETFは流動性が大きかった時に乖離しているので、個人の流動性が低いという特性は理由にならないと思います。
売り買いで裁定をする機関投資家の流動性が低いからか、穿った見方をすれば乖離した方が儲ける機会が多いと考えているのか・・。