日本にとってはイロイロな意味で、新興国の中では中国の存在感が突出していますが、その経済力と株価の上昇は必ずしも一致しません。
リーマンショック後に世界で一早く上昇に転じて右肩上がりを描いたのは上海株でしたが、昨年7月に天井を打った後は1年以上も停滞を続けています。
香港のH株指数も上海ほどではないが1年近く停滞中。
そんな中、アジアのもう一つの新興大国であるインドの株価が好調です!
どれ位好調かと言うと、BSEセンセックス指数が2年8カ月ぶりの高値を付けて、今週は一時20,000の大台に乗せました。(と言われてもワカラン!)
今年は1月と4月に18,000の手前で失速して天井を作っていたのですが、7~8月でこの抵抗を突破して9月に20,000まで駆け上がって来たので、今後にも期待できるかも知れません!?
今が重要なポイントにあるのは、20,000というキリのいい大台に乗せただけではなく、2008年1月につけた過去最高値の20,827までほんの少しだからです。
リーマンショックの谷を乗り越えて、インドの株価はここまで上昇しているのです!
更に期待できるフォロー材料は、既に最高値を更新したインドネシアを始め近隣のアセアン各国の株価も高値で推移していること。
だから、インドが高値更新しても全然おかしくない!
しかし、失速する可能性も高いと思わせるのは、先に高値に挑戦して失敗したブラジルの株価の動きとよく似ていること。
ブラジルのボベスパ指数も今年の1月と4月に70,000の大台に一時乗せて、2008年5月に付けた高値72,767の更新を狙ったのですが、2回とも失速し更新できずに今に至る・・。
インドもブラジルと似たような動きになるかも知れませんね・・。
(まあ、先進国にしたら夢のような話で、そんな簡単に高値更新させてくれないでしょ?)
しかしながら、インドのETFや投信をホールドしている人には高値更新なんて実感はないと思います。
次の5年チャートを見るとその謎が解けます!
(←クリックで拡大します。)
5年前を基準にして、上の山がBSEセンセックス指数の増減、下の緑色の線がインドルピーの対円レートの増減を示しています。
目盛りが荒いのでわかりにくいのですが、リーマンショック(Jan09)までは株価と為替の増減が連動しているのがわかりますね。(←リスク回避時には円ベースでの損が半端なく膨らむので、これが新興国への投資は恐ろしいと言われる所以です。)
ところが、リーマンショック後に株価は急回復したのに為替は連動せずに、逆に少し反比例するような動きにも見えます。
実は現在のインドルピーの対円レート(1.85円)はリーマンショック後の大底(1.81円)とあまり変わらないレベルです。
2007年には対円で3.0円のルピー高円安だったので、為替ではまだ高値の60%の水準に過ぎません。
だから、円ベースではまだまだ含み損タップリの方が多いのです!
インドルピーの為替レートの今後は私にはわからないし、インドルピー対ドルよりもドル円レートの変動の影響の方が大きそうなので、レートの決定要因はインドの国外でアメリカと日本次第という面もあります。
でも、チャートが示す通り、5年スパンなら圧倒的に株価の変動>為替の変動なので、予想できないインドルピーのレートを極端に気にする必要もないと思います。
(50円の円高になると予想する人は、インドのみならず海外投資は中止したほうが良いのでしょうね。ついでに勿論日経もね!政府・日銀に対峙してドル円のショート1本で攻めたら宜しい!?)
さあ、BRICsでリーマンショック後の最高値更新一番乗りを目指して、頑張れインド!(代わりにブラジルでもいいよ!?)
[←参考になりましたら一押し。m(._.)m]