前回に新興7カ国(E7)のGDPが2032年にG7を抜くというPwCの予想を紹介しましたが、違う切り口で結果はよく似ている予想を見つけました。
ブルームバーグによると、英銀スタンダードチャータードのチーフエコノミストが、
(歴史的に見て高い成長を貿易と投資、都市化の進行が支えて)2000年から少なくとも30年間続く新たな景気循環が起こると予想し、「世界経済は現在、第3のスーパーサイクルに入っている可能性がある」と指摘しました。
スーパーサイクルとは一世代以上にわたって持続する景気循環で、過去2回は、
①米国がけん引した1870-1913年
②日本とドイツの復興が寄与した戦後から1970年代初めまで
3回目のけん引役は、過去2回の寄与度では①20%と②28%に過ぎなかったが今回は68%の寄与度となる新興国!
百年に一度とも言われた金融危機と今も尾を引く不景気が続いているのに、30年のスーパーサイクルの最中と言われても、ちょっと楽観的過ぎるのかも知れません。
しかし、それも日本人である私のガラパゴス観点に過ぎないのかも知れず、68%の寄与度の新興国はさっさと立ち直っている訳で、世界経済の成長を爺7の内側で観察するのが間違いなのかも知れません。
さて、2011年に入って全般的に相場が堅調なのは結構なのですが、とても気になっているのがソフトコモディティーの価格高騰が止まらないこと。
昨年後半から強い上昇基調ではあったのですが、年末に起こったオーストラリアの洪水や最近起こったブラジルの豪雨被害(両方とも今も続いていますが・・)で供給減懸念から上昇しています。
この他にも様々な悪材料が重なり、小麦・とうもろこし等のソフトコモディティー価格上昇が止まりません。
じゃぶじゃぶQE2の影響も大きいとは思いますが、豪の洪水も日本の昨年の歴史的猛暑と同様に異常気象がもたらしているとも考えられ、そもそも何故異常気象が世界的に頻発しているかと考えると、人間の過去の行いが自業自得で食料品価格高騰を招いているとも言える訳です。
日本でも猛暑の影響で野菜価格が高騰しましたが、それによって飢え死にした人は少ないと思います。
しかし、食品国際価格の高騰は世界のBOP(ピラミッドの底辺)層の生活を脅かしかねないし、新興国の利上げや消費減で世界経済成長ストーリーに狂いが生じる可能性もある。
ヤマザキや日清がパンやカップラーメンを値上げすれば、日本のメディアも大変だと狂ったように過剰横並び体質で取り上げるでしょうが、そうなる可能性は高そうですね。
少なくとも主婦が値上がりを聞きつけて今のうちに買いだめしようとする同じタイミングで、ソフトコモディティーに投資したら天井を掴むかもしれませんね!?
ソフトコモへの投資を全然進めてませんけど、コーヒー多分値上がりするし賞味期限は何年も持つから今のうちに買いだめしておこうかなと思うときに、それならコーヒー先物をロングするのも同じだろと囁く自分がいるのも事実なんですよね。(笑)
投資するしないに関わらず、異なるマーケットにも影響を与えるのでソフトコモディティーの価格を時々注意して見ておいた方が良さそうですね。
[←参考になりましたら一押し。m(._.)m]