金融庁が増資インサイダー問題を受けて、国内の大手証券12社に情報管理体制の点検と結果報告を命じました。
インサイダー疑惑を抱えた組織に、性善説で自主的に調査して報告せよと命じて、アウトローなアウトサイダー達が包み隠さず報告するのかは甚だ疑問ですが(笑)、監督官庁の金融庁も見て見ぬふりをしていただけの金融社会主義国家ニッポンがお茶を濁すための茶番劇とならないように願います!?
言うのも馬鹿馬鹿しいのですが、自由公正な金融市場の番人たる金融機関が市場を歪めて不正に市場から(つまりは個人投資家から)搾取して利益を得た罪は大きいし、資本主義国としての恥である。
気付いてはいるけど、天下り先には甘くて見て見ぬ振りしてきた監督官庁や証券取引所を含めて金融社会主義ムラ体質が不正を育んでしまったのではなかろうか?
個人投資家を軽視して食い物にする証券市場を正せないのに、「貯蓄から投資へ」と国を挙げて叫んだところで、ウサンクサイ金融機関から身を守るためには「貯蓄」一本槍の典型的日本人体質がやっぱり正しいということになるし、証券会社が「株屋」呼ばわりされるのも自業自得である。
さて、金融機関が不正を止められないのは日本だけではないようで、アングロサクソン金融資本主義国家も同様です。
英国ではバークレイズが2005年から09年まで4年間に渡り虚偽申告を繰り返し不正にLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)が操作されていた件で、先週約360億円の巨額罰金を払わされ、本日はCEOが引責辞任を発表したようです。
まだ英国がまともなのは(?)何百億円の罰金を払わされていることですが、金融社会主義国の日本ではインサイダーで金融機関への課徴金が数万円って何やねん?
そんな小額罰金は個人トレーダーの見せ玉レベルであり、巨額インサイダー不正のリスクと報酬が見合ってない!?
米国ではJPモルガンがCDS市場で巨額損失を出した件で、金融規制改革に批判的なダイモンCEOが
「米国の資本市場は世界で最も広く深く、最善の市場となっている。怒りにまかせてこの市場を損なうことは恥となる」
と言ったご立派な「錦の御旗」も色褪せて、虚しく響くし、説得力がない・・。
「この市場」を損なった戦犯は金融機関であり、つまり「恥」そのものであり、「金融規制」はウォール街の倫理なきハイエナ集団から「市場」を守るべきものである。
「自由」よりも「規制」が与えられて然るべき存在であることをまざまざと見せ付けたのはあなた方であり、「市場」を檻で囲われていない危険な動物園にしてはいけないんだよ、ハイエナ君!
欧州危機が騒がれているが、英米の金融立国が力強く復活する訳ではないし、日本のええじゃないか音頭で談合横並びインチキ金融社会主義も改善されないまま「失われた20年」の迷走・混迷ぶりだ。
狩猟と農耕の違いはあれど、英米アングロサクソン強欲金融の綻びと、法治国家ならぬ放置国家(!?)日本らしい野放しインサイダーええじゃないか天国という問題が露呈している現在は、金融資本主義時代の終焉と世界のパワーシフトを象徴しているのかも知れませんね。