「半沢直樹」の最終回が放送された翌週に、絶妙・微妙なタイミングで金融庁は反社会的勢力との取引に関してみずほ銀行に対する行政処分を発表しました。
絶妙というより、タイミングを狙っただろと思ったのは私だけではないでしょう。
ドラマでは何故かおねえキャラの検査官が半沢にやりこめられ、金融庁が決して(ひとつも)良いいイメージでは描かれていません。
ドラマだからと笑っておけばいいのですが、そこはプライドの高い役人の皆様方が金融庁の威厳を国民と銀行に示したくて、ドラマ終了を待ってここぞと発表したと見るのは勘繰り過ぎでしょうか?
当初は情報が担当役員止まりだったと説明していましたが、頭取さんは自分も知り得る立場だったと撤回して、いつもの日本のお家芸で隠蔽発覚後ウソの上塗りして余計苦しくなり、小出しに渋々氷山の突かれた一角だけは認めていくという今回もお決まりのコースでしょうか?
取締役会等計8回の会議で問題融資の資料が提出され、それぞれ10人前後が出席し問題を認識できたのは「数十人」。
頭取も取締役会などに出席し、「知りうる立場にあったが、問題の本質を認識するには至らなかった」と釈明。
このトップは何を言っているのでしょうか?
私は資料を読んでも説明を聞いても、何が問題なのかわからないお馬鹿さんですと言っちゃってんの?
隠ぺい力だけで頭取に出世できる訳でもないでしょうに。
(まあ見え透いた嘘がばれると読めないのだから、そのネガティブパワーも大したことなさそうだけど・・。)
みずほ銀行はシステム障害等でも旧3行(富士・一勧・興銀)の縄張り争いが足を引っ張っていたと言われますが、7月のコーポレートとの合併を機に”One Mizuho”というキャッチフレーズをやたらと使っていますが、あーこれ対外的にだけではなく行内でも大事なスローガンだった訳だ。
でも、隠蔽体質だけは旧3行で一致団結して一枚岩の”One Mizuho”なのだから他も協力してきっとできるよ!?
どうせ俺達みずほ3兄弟はどんぐりの背比べで3バカトリオなんだから、上も下もないって仲良くやろうぜ!、と冗談でも言えばいいんだって。気取ってねえで!
自分の所属(出身大学・出身旧行)ばかり気にして腐れインテリがプライドばっかり肥大させるから、勘違いしたサルの集団がボス猿に取り入って猿山造って縄張り争いを始めるんだよ。
こういう不祥事が起こる度に、テレビのちょっとアレなコメンテーターが電波を無駄遣いするように具体性ゼロで「膿を出せ!」「襟を正せ!」と良心に訴えても、魂を売り渡しちゃった人には無駄だって!?
日本の「負の文化」の中心に鎮座してしまった隠蔽体質を改革するなら、構造的に「日本の文化」を変革する覚悟が必要だと思います。(一例:終身雇用の廃止と雇用の流動化)
みずほ銀行は今年ネット専用で格安ノーロード投信を売り出すなど、他行に先駆けて先進的な取り組みをしていることは評価します。
組織の中には、伝染する悪貨も良貨もあるでしょう。
日本の大企業全般に言えることですが、メガバンクの自称エリート集団の中で30~40年の出世競争を勝ち抜いてトップの椅子に座った超エリート(の筈の人)が、何故この程度の言動や行動しかできないのだろうかと首を傾げたくなる人が多すぎます。
そのプロセスや評価がどこかイロイロと大きく間違っているのでは?
(一例:ある会社で役員になるには反社会的勢力との取引を見て見ぬ振りできる問題放置能力が絶対条件だったり!?)
「半沢直樹」では出世コースから外れて出向になるのを哀れなケースのように扱っていましたが、40年出世にしがみついてメガバンクの役員になる人生は絶対に「哀れ」ではないのでしょうか?
「このままでは私を含め何十人が責任を問われ当行の今後への影響も大きい。
今回は担当役員の君1人で揉み消したことにして責任を被ってくれ!
頼む、この恩は絶対に忘れない。後のことは悪いようにはしないから。」
なーんて話は、ドラマなのか?現実なのか?
「半沢直樹」の翌週から、メガバンクvs金融庁と銀行の実像をノンフィクションでお送りします!?