現行NISAが上限120万円/年x非課税期間5年=総額600万円に対して、積立NISAは総額800万円が非課税枠なのでその点は有利です。
選択制なのでどちらかを選ばなければなりませんが、総額では有利としても後者はないよなあー。
感想は案の段階で4カ月前に書いたものと変わりありません(↓)。
「税制改正要望の現行NISA改善と選択制積立NISAの創設は複雑でわかりにくい!」
http://financial-free-fx.seesaa.net/article/442094434.html
積立NISAは2018年からの新設なので、現行NISAを最初から使っている人は18年が最後の5年目になりますが、120万円の枠を捨てて積立NISAに乗り換えますか?
5年間の枠を使い終わってから考えようかとなりますわね。
2019年からは2周目に入るので、ここが積立NISAに変更するならタイミングのよい時期でしょう。
ロールオーバーとか枠を超えた分は特定口座に移管されるとかようわからんし面倒だし・・と?
ところが、今回積立NISAの新設に隠れて現行NISAでも重要な変更がなされています。
それは、現行NISA口座のロールオーバー時の上限額撤廃です!
これが何を意味するかといえば、NISA口座で100万円投資して5年後には1億円の時価まで膨らんだとしても、6年目に1億円全てをNISA口座に繰り越しできます!
(もちろん現実には5年で100倍はまず起こりえませんが、理論上は1兆でも1京円でも繰り越し可能!?)
不満の多かったロールオーバー時の仕組みが改善されました。
それでも、積立NISAを選択しますか?総投資額で有利だから?
では、現実的に1周目5年間の総投資額600万円(実際は560万円ですが簡略化)が2周目の投入時に800万円まで増える利回りは何%でしょうか?
複利の力により年利回り約5.9%で600万円が800万円に増えます。
株式(含む投信)への投資なら「取らぬ狸の皮算用」ではあっても非現実的な数字ではない筈です。
因みに同じ利回りなら3週目には1000万円を若干超える額を投入できますが、残念ながら現行NISAは2023年までの時限措置で3周目に入れるかは決まっていない。
23年で現行NISAが終わりなら、ここでようやく2037年まで続く積立NISAへの乗り換えを検討すれば良いのかなと思います。
因みに積立NISAも20年の時限(?)措置で、毎年のようにコロコロNISA制度を弄り回しているのに20年後のことを今決めてもとは思いますが、長期投資を推すなら制度継続・安定の安心感も必要でしょうね。
将来的には現行と積立の並列制度を統一する方向のようですが、どうやって統一するんでしょうね?
改悪なしの「大は小を兼ねる」(=120万円x20年)なら簡単ですが、これではサービスし過ぎなんでしょうね。
どうせまたコロコロ変わるし不透明なので、取り敢えず目先の利益(20年より5年、積立より現行)に飛びついておくのが無難だと思います。
金融庁がNISA制度を複雑怪奇で難解な制度にしたがるのはiDeCoを管轄する厚労省との縄張り争いですか?
それとも複雑怪奇で理解不能な税制により税理士の需要が生じて儲かるように、金融制度も複雑にしてなかなか食えないFPの仕事を増やしてあげようという意図でもあるのでしょうか!?
色々と理屈をこねていますが、積立は既に対象限定のiDeCoに任せておけば良いし、統一するならiDeCoとの棲み分けや整合性を国民目線で考えて頂きたいですね。
頭の良い(?)役人の皆さんが小難しい制度をいくつも並列で考え出しても皆ついて来れないから(=やってることは例によってとてつもなく頭の悪い!?)、大統一理論はNISA撤廃で一律税率10%へのシンプル回帰でお願します!
ということで、今年最後の更新になります。
今年もお付き合い頂き有り難うございました。
良いお年をお迎え下さい。

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