7月21日付けでUBSの東証上場ETF-JDR10銘柄の上場廃止が決定しました!・・・orz
10銘柄は以下の通りですが、
銘柄コード 銘柄名
1385 UBS ETF ユーロ圏大型株50(ユーロ・ストックス50)
1386 UBS ETF 欧州株(MSCIヨーロッパ)
1387 UBS ETF 欧州通貨圏株(MSCI EMU)
1388 UBS ETF 欧州通貨圏小型株(MSCI EMU小型株)
1389 UBS ETF 英国大型株100(FTSE 100)
1390 UBS ETF MSCIアジア太平洋株(除く日本)
1391 UBS ETF スイス株(MSCIスイス20/35)
1392 UBS ETF 英国株(MSCI英国)
1393 UBS ETF 米国株(MSCI米国)
1394 UBS ETF 先進国株(MSCIワールド)
スイスに拠点を置くUBSの強みを活かして、日本市場においては投資手段が限られる欧州を中心に低コストのETFを揃えて、信託報酬率もストックス50が0.15%、英国やスイスも0.2%と低廉に提供する貴重な商品群だったと思います。
でも、何故上場廃止するのでしょうか?
プレスリリースでの説明は以下の通りです。
「当10銘柄のETF-JDRは、上場から約8年となりますが、一定の残高増加はあったものの、純資産総額が10銘柄で約30億円にとどまります(2023年2月末現在)。
将来の成長可能性及び経済合理性などを慎重に評価した結果、今般、本投資法人は、所定の手続を経て各ETF-JDRを終了することとしました。」
嘘は言っていないと思います。
8年間の10銘柄で30億円しか集められないのでは継続が疑問視されますね。
タイミング的にはUBSがクレディスイスを買収して両行合わせて12万人の約3割を削減する方向と一致しており、削減対象の多くはクレディスイス側だとしても日本における(人員に限らない)リストラクチャリングの一環で儲からないETF運用から撤退を決めたのかも知れません。
あるいは、新NISAのフォローの風が投資信託には吹くが東証ETFには吹かないし、今後長く継続出来なそうなら新NISAで期待させて買わせた客に上場廃止で迷惑を掛ける前にこのタイミングでの上場廃止を決めたのかも知れません。
いくつかの銘柄は購入対象のスコープに入れながらも結局一度もUBSの東証ETFを購入することなく応援できなかった立場で言うのも何ですが、今回の上場廃止は色々な意味で残念です。
UBSのETFの流動性にも問題はあったのでしょうが、この10銘柄で30億円しか集まらないのはやはり本邦投資家の厚みや多様性の欠如を感じます。(お前も買ってねえだろ!)
ETFでも投信でも日本は元からあるし米国の指数連動は近年急速に増えて何兆円を吸収していますが、欧州は投資手段が弱いのにUBSのETFに資金が集まらずに上場廃止では代わりに欧州指数連動を投入しようとする運用会社も現れないかも知れませんね。
また、今回の件で痛感させられるのはNISAの長期保有目的で外資運用の東証上場ETF購入は上場廃止リスクが高くて買いにくいということ。
2018年にはiシェアーズのETF-JDRシリーズが大量に上場廃止されたこともありました。
外資は儲からなければ商品を引っ込める判断も早いし、会社の拠点自体が日本からの撤退リスクもある。
ただでさえ無期限の新NISAでは枠内で分配金再投資される投信の方がその点においては有利であり、これまで以上にETFより選好されることが予想されます。
国内運用会社のETFを含めて東証がリードと音頭を取って新NISAでも保有してもらえるような安心感の醸成・アピールと改善に繋がる各種の施策が必要だと思います。
(例えば、信託報酬率で投信とほぼ同等や一部逆転されている現状ではETFの存在意義がとても希薄で投信に客を奪われる一方。)
今回のUBSのETF上場廃止はとても残念ですが、新NISAを前に改めて外資リスクと東証ETFの不安定さを認識させてくれましたね。
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