野村アセットマネジメントが「はじめてのNISAシリーズ」をリリースして各ファンドを軒並み最安値レベルに合わせて来ましたが、中でも際立つ低コストが全世界株式(オール・カントリー)の信託報酬税込0.05775%!
これは日興アセットのTracersに信託報酬をピタリと合わせたためと思われますが、その他費用と信託報酬に区分する費目の違いにより実質的には野村オルカン(オール・カントリー)が「全世界」インデックスというカテゴリーに限らず全投資信託の中で最低コストを提示しているものと思われます。
Tracersがなければ野村もこんな低コストでは出さなかったはずであり、オルカン信者は日興アセットに感謝すべきかも知れませんね。
三菱UFJ国際投信のように費用の区分が違うからとTracersの信託報酬は無視することも出来たと思いますが、そこは大手証券グループ系列同士の最大手側として日興さんを下回ることは意地が許さなかったのかも知れませんね。
この特異なコスト競争により、日本において全世界(オルカン)のカテゴリーだけ頭2つ抜けた異常な低コスト環境が実現しています。
例えば、「はじめてのNISAシリーズ」には米国株式インデックス(税込0.09372%)、日本株式インデックス(税込0.143%)、新興国株式インデックス(税込0.1859%)とどれも低コストで揃えてはいますが、ここに日米を除いて欧州を中心とした先進国を加えて時価総額で加重平均したものが全世界(オール・カントリー)ですね。
でも、どう加重平均しようがこれらを組み合わせたパッケージに過ぎない「全世界」の信託報酬が0.5%台になる筈がなく、コストベースでは説明のしようがなく「全世界」のコストだけが50%程度のディスカウントになってしまっているのが現状だと思います。
コスト構造的には信託報酬0.5%台を説明できないのでオルカン信者は現状に感謝すべきかも知れませんね!?
でも、NOMURAって一品だけ採算度外視の目玉商品を作って客寄せに利用するってのはよくやるパターンだと思います。
しかも、玉子1パック98円で出せば充分なのに敢えて49円で出して原価割れの赤字でも客寄せに使います!?
10年間信託報酬をゼロとした野村スリーゼロ先進国株式投信もそうですね。
コスト構造的にゼロは不可能で10年赤字を覚悟して客寄せに使うのは体力のある「野村」だから出来ること。
他にはあまり話題にされることも少ないのですが、野村のオンラインでは信用取引の金利がなんと年0.5%で圧倒的業界最低水準です。
オンラインの手数料も概して高めなのですが、1点だけ他社も追随不可能で度肝を抜くような低コストを客寄せで設定するのが野村スタイルかと!?
「客寄せ」だとハッキリしたのは野村では「はじめてのNISAシリーズ」をつみたてNISA専用ファンドに設定したこと。
49円の玉子だけカゴに沢山入れて他は何も買わずにレジに持って行かれても赤字で儲からねえんだよと意訳できますね!?
ところがどっこい、ここで本邦投資家の救世主が現れます!
なんとSBI証券が「はじめてのNISAシリーズ」の販売を開始しました!
SBI証券では一般NISAでも特定口座でも購入出来て何ら制約は付いていません。
しかも、他ファンドと同様に信託報酬のSBI証券取り分はポイントで年0.0175%還元するので、実質的な信託報酬は0.04025%まで下がります!
つみたてNISA限定の野村経由で買う理由は1つもなくなり、オルカンを含む「はじめてのNISAシリーズ」は最大手のネット証券で制約なく買えます!
これがNOMURAにとっても歓迎すべき状況なのかは不明ですが、SBI証券から扱いたいと言われて断ったり「つみたてNISA」限定を要求するのは合理的に難しいのでしょうね。
(野村側はこんな儲からない投信を売りたいなんて言って来る証券会社は皆無だから結果独占販売と高を括っていたかも知れません。)
SBI証券としては低コストファンドの信託報酬が何%であろうが自社取り分は全て投資家に還元している訳で、そもそも儲けのない客寄せ商品としか思っていないので取り分が少なくても関係ない!
客寄せ商品だけをそのままレジに持っていき会計することも禁止はできないが、寄せられた内の何%かでも他商品を買ってくれればいいという考えでしょう。
採算度外視の客寄せ商品上等で比較的体力のある野村とSBIが手を握ってことで、投資家は実質信託報酬0.4%のオルカンをネット証券で気軽に買えることになりました!
よって、低コスト投信でも儲けが乗らないのは困る他ネット証券が追随して「はじめてのNISA」を扱うかは読めないですね。(SBIへの対抗策として受け身で必要ってところ。)
個人的には「全世界」というカテゴリーは好みではないのですが、現環境は安くてラッキーでいいなとは思います。
オルカン信者は感謝すべきでしょうね、SBI&野村の前に日興に対して!?
願わくば、オルカンの信託報酬がコスト構造に基づいたものとなり他のカテゴリーも同水準に下がって来ることを期待します!
米・日・欧・新興国を普通に加重平均したら0.5%台になるのが本来の姿!
にほんブログ村
採算度外視で客寄せ上等の野村とSBIが手を組み信託報酬0.5%台のオルカンがネット証券で買える!
