方向性は既に決まっているので、現在は個人事業主が月額6万8千円、サラリーマンが月額2万3千円となっている拠出限度額が引き上げられる可能性は高そうです。
NISAとiDeCoが両輪のように語られますが、非課税制度のNISAに対してiDeCoは課税繰り延べ制度であり、NISAとは異なり万人にメリットのある制度ではありません。
では、誰にとってメリットの大きい制度なのでしょうか?
現役から老後に課税を繰り延べることで税率ダウンの大きい人 ≒ 現在課税率の高い人 ≒ 現在所得や給与の高い人
が一番恩恵を受ける制度であり、逆の立場の人が安易に利用すれば恩恵がないどころかむしろ課税が増えて損してしまう可能性のある恐ろしい(!?)制度でもあります。
私もiDeCoに熟知している訳ではありませんが、何も考えずにiDeCoに飛びついても損がないのは現在の所得税率が20%以上(地方税込みで30%以上)の層ではないでしょうか?
(逆に言えばそれ未満ならよーく考えて理解して納得して始める必要があると思います。)
年間所得金額330万円を越える部分から所得税率20%が課されます。
これは一見低く見えますが謎の給与所得控除があるサラリーマンならその他控除も含めてザックリ年収650万円以上となります。
もちろん累進課税なので一番得になる最上位層は所得税率45%となる年間所得4千万円以上の方々ですね。
あれ?石破さんはこの上位層が金融所得税率約20%で済んでいることがケシカランのではないですか?
それならiDeCoも庶民には恩恵のない拠出限度額拡大は同じロジックで否定しなければ理屈屋のくせして歩く論理矛盾の塊になってしまわないですかね、石破さん?
なぜ最上位層のiDeCo拠出時に地方税込みで55%もの非課税控除を「大幅に大胆に拡大する」ことには賛同しておきながら、同時並行で(策を講じて金持ちに限定したとしても)特定口座の課税率アップを声高に言い始めることは大いなる違和感と矛盾を感じます。
現状のiDeCoで個人事業主なら年間816,000円の拠出が出来るのにそれを更に「大幅に大胆に」引き上げて、国にとって金融課税のベースが縮小するから特定口座の税率アップが必要となるなら、iDeCoで金持ち優遇した結果普通の投資家に特定口座で穴埋めさせる本末転倒になり兼ねませんね。
非課税(繰り延べ)制度であるNISAやiDeCoは「善」なので積極拡大して、非課税枠外の特定口座で投資なんかやってる道楽金持ちは「悪」なのでどんどん巻き上げろという頭の弱い単純化で思考停止するのは止めた方が良いですね。
「大幅引き上げ」と言うからには月額10万円年間120万円程度への限度額拡大は目線にあると思いますが、
@一般層にとってはNISAに加えて、iDeCoで年間120万円を積み立てる余裕も資金もある訳がない
A現在低税率の庶民にとっては仮に資金があったとしてもiDeCoへの過大な拠出は老後に受け取る際の所得増により現在以上の高税率での課税を招きかず逆効果になりかねない
ことからiDeCo拠出額上限の拡大なんて「金持ち」以外には何の意味も恩恵もありませんね。
そもそもiDeCoは利益に非課税なんて言われますがコレがとんでもないミスリードであり、いやいや課税時期を老後に先送りしているだけでiDeCoは「利益」にも「元本」にもしっかり課税しますね。
金持ちが使うなら確実にメリットのある制度ですが、庶民にとっては利益だけに約20%課税される特定口座の方が優しい制度(かも知れない)ですよね!?
iDeCoに毎月10万円を何年も拠出できる高所得か資産家に課税を繰り延べた上で税率下げて助ける必要もない老後の資産形成を助けることを「善」とする一方、NISAとiDeCo拡大で金融課税ベースが縮小しているし「金持ち優遇」はケシカランから特定口座の税率引き上げが必要と言うのは詭弁を自覚しないなら理屈屋なだけで頭が弱いんですよ!?
本末転倒にも程がある!
全体や将来を踏まえずに各論かつ部分的な理屈が得意なことと聡明なことは別物ですね。
聡明な方に総理になって欲しいけど、誰でしょうね?
iDeCoって知れば知るほど本当にややこしい面倒な制度なんですよね。この件とは別でまた書いてみます。

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