ロイターに面白い記事がありました。(青字は引用部分)
『リーマン破綻から1年、アナリストに「皆で渡れば怖くない」病』
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-11440220090910
リーマン破綻前に誰1人として同社の投資判断を「セル」としていなかったアナリストらは、銀行株が今年3月から力強い回復を遂げる前に、あえて銀行株に強気の投資判断を下す勇気を持つことはできなかった。銀行株を「バイ」としていたアナリストは、ごくわずかしかいない。
間違えた人は間違えたが故に臆病になり、また間違えるということか!?
アナリストが担当する業界に通じているという見方は疑わしい。誰でもそうだが、人々は群集心理に左右されやすい上、自分だけが他人と違う判断を下せばキャリアに傷がついてしまうと恐れるため、偉業を成し遂げるのは難しいものだ。
いいですね、効率的市場論の否定!
この部分にはいくつかの示唆が含まれていると思います。
市場は森羅万象を即座に織り込み効率的なので、素人がプロを出し抜こうと個別銘柄の選択に努力しても売買タイミングを図っても出し抜くことは出来ないという考え方も疑わしい!
何故なら、一番精通している織り込み役の自称・他称の業界アナリストが過大・過小に評価したり、間違ったフィルターを通して織り込むからです。
更に群集心理に左右され易いのは、個人投資家のみならずプロも同様であること。
これが他人と違うことを言ったりやったりすると社会から抹殺される(!?)日本では、「皆で渡れば怖くない」病は更に顕著になるということです。
いや、「皆と一緒に渡らない」意思の強い奴の方が「和を乱す」「協調性がない」病気と思われかねません!?
もっとも、銀行セクターの投資判断が難しいのは間違いない。複雑なデリバティブや高水準のレバレッジにより、銀行の業績は一段と読みにくくなっている。
以前シティグループで債券アナリストを務めていたヘキサゴン証券のアナリスト、エサン・ハイスラー氏は「銀行はブラックホールだ。銀行を正確に分析する方法などなく、知りたいことも分からない」と指摘する。
銀行は安全な金庫だと思っていたのですが、全てを飲み込むブラックホールですか!?
シティに預けるより、穴の空いていないタンスに預金した方が安全でしょうか?
投資家にとって、最も優れたアナリストを選別することは、最もパフォーマンスの高い銘柄を選択するのと同じくらい難しい。FBRのエリソン氏のアドバイスに従って、アナリストのコンセンサスと全く逆の投資行動を取ることが最も高いパフォーマンスを上げる方法かもしれない。
そうですよね、それが正しいアナリスト予想の使い方ですよね。
エリソン氏は「すべてのアナリストが強気になる時は、(銀行株を)保有するのを心配すべき時だ。すべての人々が強気の時はショートポジションを取り、皆が弱気の時は株を買い入れるべきだ」と語っている。
ジム・ロジャーズも似たようなことを言っていたし、多くの賢者が同様のことを言っていると思います。
日本人はアナリストとかストラテジスト(和訳すると戦略家でっせ!?)とかいう肩書きに弱いように思いますが、組織に属して予想して給料を貰うサラリーマンに過ぎません。
(万が一、能力が高くてもホームラン打つよりも周囲に意見を合わせて失点をしないことを優先するのは組織人として正しい!?)
バフェットやジムのような大物がこのカテゴリーに属して満足するでしょうか?
つまり、彼らは投資のプロではありません。
予想で稼ぐ必要のない大物投資家と我々素人の中間にいて、かつ我々のレベルに近い方の存在だと私は捉えています。
上から目線ではないが、下から目線ではなく、横から目線で彼らの予想は聞いていた方が良いと思います。
だから、我々素人と同様にアナリスト予想が総強気の時は天井かもと警戒した方が身の為だと思います。
私のブログでも似たようなことを何度も書いている気がしますが、だってこれには何の能力も必要ないし意識して気を付けていれば良いだけなので、誰でも実践できると思うのですが・・。
(言うは易し行うは難し・・。)
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コメント
オウムが株式運用コンテストに出て上位に入るくらいですから、人間の分析能力などタカが知れています。
アナリストなどという肩書を持っていても所詮は人間。そんな人間ごときの分析能力などあてになりません。
そうですね。
私の中国個別株投資も指数や投資信託に負けているのですが、オウムに選んで貰った方がリターンが良かったかも知れません。(笑)