米国を中心に英欧が乗じて引き起こした2007年8月のサブプライムショック、2008年9月のリーマンショックを経て世界的な大不況を招きました。
今年の3月にNYダウは底が抜けそうな下落を演じましたが、今年の1月から既に上昇トレンドに入っていたのが上海市場でした。
(早すぎて今年は8月で頭を打ってしまいましたが!?)
まさにバカをやらかして先進国がズタズタにした世界経済を、痛手も少なく豊富な資金で内需を刺激する新興国中国が救った(救いつつある)と言っても過言ではないでしょう。
振り返れば市場は見通していたと言えますが、その後の回復過程で鮮明になったのは中国のみならず新興国の力強い回復ぶりです。
政治の面でも経済を先取りしていたと思います。
G7が形骸化し、(首脳会合としては)08年に始まったばかりのG20に役割を取って代わられました。
発言権を強めた新興国と言われますが、爺7が世界をリードしているからこんなバカな経済危機が起こったのだという問題意識も双方にあったのだと思います。
政治面での爺7(米欧日など)から、G2(中国)&G20(新興国)への流れは、経済面での力関係の変化を後追いしたと言うよりも先取りしていると思います。
インチキ証券を大量に買い込み痛んだ金融機関を抱え財政赤字で景気対策を充分に取れない先進国に対して、金融機関が健全で景気対策も取れて内需も旺盛な新興国!
2009年、女神は新興国に微笑みかけたと言えるのかな?
市場もまさにこのような足取りを見せました。
以下のチャートは、上からインドネシア・ブラジル・インド・上海・香港・米国・日本の過去1年のパフォーマンスを比較したものです。
上の3カ国は年率+80%に達しているし、下でフラフラしている世界1・2位の経済大国とのパフォーマンスの差は明らかです!
(それ以前の落ち込みも新興国は半端でないのですけど、それを考慮しても新興国は強いと言える。)
新興国の株価上昇に寄与したのは各国のファンダメンタルズに加えて、ドル安ドルキャリートレードという米国側の要因もあります。
コモディティも今年は軒並み上昇しましたが、ここでも中国の存在感が高まると同時にドルキャリーのドル離れ資金が流れ込んだと言われています。
原油価格は10月で頭を打って金価格も12月に大幅下落を見せましたが、コモディティが長期で下落するという予想はあまり聞きません。
新興国の旺盛な需要とドル不安のドルキャリーという要因があれば、この流れは続くのかも知れませんね!?
以前から書いていますが、今回の経済危機を境に世界に大きな変化がもたらされると考えています。
その意味で、底から回復し始めた2009年の動きは非常に重要で、そのうちのいくつかは今後の長期的な大きなトレンドになるのだと思います。
考えてみてください、1年前には5年先はおろか半年先すら見通せなかった訳です。
でも、今なら妄想に過ぎなくても5年先を考えることができます。
何故なら、世界経済は底から這い上がり始めて、どこかへ向かって新たな動きを見せているからだと思います。
先入観や既成概念を取り払って、2009年を振り返り未来を見通す努力は無駄にならないのではないでしょうか?
今年の3月にも私は悲観していないと書きましたが、世界は悲観に溢れていました。
3月以降に相場の2番底がやってくるぞー、との大きな声も全く当たりませんでした。
如何に(専門家であれ)他人の予想やコンセンサスはアテにならないかも改めて学んだ1年だったのではないでしょうか?(勿論このいい加減ブログを含めて)
女神が微笑むのは、
「賽銭ばーこに、百円玉投げたらー、つり銭出て来る人生がいいと~」
と己の知恵や努力や行動はどこにあんねんの人ではなく、自ら助くる者であると信じて新興国を見習いたいと思います。
(年内にもう一度更新するかわからないので、念のため)
皆様、良いお年を!
[←参考になりましたら一押し。m(._.)m]
コメント
はじめまして、いつも楽しく読ませていただいてます。
新聞やテレビを見ていただけでは考えもつかないような視点からの記事は大変興味深いです。
私は株は日本、その他外国も含めてやっていなくてFX一本ですが、これからも参考にさせていただきます。
来年もどうぞよろしくお願いします。
tetsuyaさん、
はじめまして、ご愛読いつも有難う御座います。
そう言って頂けると嬉しく思います。
当たる当たらないは別にして、いい加減ですが素人なりに自分の視点で書くことは心掛けています。
勧める訳ではありませんが、株も楽しいですよ。景気回復局面は最高です。
こちらこそ、今年もどうぞよろしくお願いします。
またお気軽にコメント下さい。