80円台の円高へ突入で日本は壊れてゆく!?トヨタがカローラを輸出できないのは戦後日本の成功物語の終焉?

昨日ドルが一瞬81円を割って、史上最高値79.75円まで、たったの1円に迫ってきましたね。
ドル円と豪ドル円が等価になる(=AUD/USDのパリティー)のと、どちらが先でしょうか?
 
ドル円が割らずに円安に振れてくれるのが一番ですが、現在の為替相場は歴史的にも重要な局面に差し掛かっているのかも知れませんね。
 
歴史的と言えば、日本の実体経済もその局面を迎えているのかも知れないと、嫌な感じがしたニュースがこれ!
 
「トヨタ自動車は、主力乗用車「カローラ」の日本からの輸出を2013年ごろまでに停止し、輸出分の生産をすべて海外工場に移管する方針を固めた。」
 
勿論、これは今80円を割りそうだから決めた訳ではないし、中期的な円高傾向を考慮しての判断でしょう。
また、大手メーカーにこのような話は相次いでおり、「またか」という印象を持つ人も多いのかも知れません。
 
しかしながら、日本の将来にとって、もの凄く嫌で象徴的なニュースではないかと私は感じました。
何故なら、「トヨタ」の「カローラ」の「輸出」と言えば、日本の高度経済成長・経済大国の象徴だと思うからです。
 
このニュースが暗示しているのは、日本の奇跡的成功から失われた20年の停滞横ばいを経て、いよいよ次のステップに入って来たのかも知れないと・・。頭ではなく直感に訴えかけられました。
 


なるほど確かに、一部車種の輸出を海外生産に切り替えるだけで、トヨタにとっては円高耐性がついて利益も上がって、日本経済も国の税収も潤うという面はあるのかも知れません。
 
円高投機屋や評論家がさんざん言って来たように、「円高で赤字になるのは企業努力が足りないだけじゃボケ!」の批判に対して見事な正解を出したのかも知れません。
しかしながら、部品メーカーの納入が減ることも含めて国内の雇用は直接間接に失われます。
 
円高投機屋や評論家の言う「だから日本は内需拡大すべき」も先に雇用減少ありきでは需要が拡大する訳がありません。
(政治家もなんとかの一つ覚えで内需拡大を呪文のように唱えているだけで、やれる具体策があるならサッサとやれって!)
 
トヨタは国内販売用のカローラは国内生産を続ける方針のようですが、日産はタイで生産したマーチを日本で販売するようです。
つまり、円高とは関係なしに大衆車の生産を日本で行うにはコストが高くて競争に勝てないということでしょう。
 
10年後には日本の道路をインドのタタ自動車の「ナノ」が走り回っているかも知れませんね!?
後進国の安かろう悪かろうの日本車との偏見から出発して、カローラという大衆車を世界中で売って、世界一の自動車王国になった日本が今や自国内で大衆車を生産できなくなっている・・。
 
GMと同じように、トヨタも人件費や企業年金を賄うために国内では高級車レクサスしか生産しない(できない)なんてことに将来ならないとは断言できない。
円高が日本経済の構造改革を促したかも知れないが、それが将来吉と出るか凶と出るかはわからない。
 
また、このニュースを私は別の観点でも捉えています。
トヨタが海外移転を予定しているのはまだ3年も先の話です。
 
これは逆指標かな?(笑)
 
3年後にはオイオイ国内に残したほうが良かったじゃないかと言いたくなる程円安になっている可能性を誰が否定できるのか?
 
でも、そんなことはトヨタにもわかるはずがないし、円高とは関係なしに海外移転すれば少なくとも人件費は抑えられます。
円高投機家がよく「将来の円高を織り込んで対策を考えてねえからだ」と日本の輸出製造業を批判しますが、そんなことがわかれば一生懸命「ものづくり」なんかせずに相場を張ればいい訳よ!
 
これが逆指標なら、トヨタに逆張りで今は円を売るタイミングであり、自動車株を買うなら日本メーカーではなくインドのタタや中国のBYDなのかも知れません・・。
 
日本の未来が仮に明るくなくても、個人では対策が取れる訳で、悲観しているくらいなら、悲観に逆張りすれば宜しい!?
 
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