本日の日経に、松井証券が大証FXで大口顧客の手数料を大幅に(210円→52円)に値下げするとのニュースがありました。
この情報自体には全く関心がないのですが、記事の中で
「FX取引は数十億円の証拠金で売買する投資家もおり、松井証券の場合は上位顧客の2~3%で全体の売買の9割を占める。」
と書いてあったので驚いた!
97~98%の客はゴミ投資・投機家ってことね!
一般的には上位20%の顧客が売上の80%を占めるとよく言われますが、上位2~3%で90%ってホンマかいな?
法人が貿易のヘッジ目的で売買している訳ではなく、個人投資家が数十億円の証拠金で取引しているなら、その目的がよくわかりませんが、超大金持ちの道楽なんでしょうかね?
そういう人達が証券会社やFX業者の命運を握っているのも事実なのでしょうね。
あくまで松井の大証FXでの比率であり、FX全体ではこんな極端ではないのかも知れませんが・・。
さて、本題です。
税制改正の議論が活発になっていますが、証券優遇税制の延長も敗色気配濃厚ではあるが、まだ決着しそうにありません。
産経によると、金融庁は引き続き延長を要望しているのに対して、延長を認めない財務省は代わりに「日本版ISA」(少額の株式投資を条件付きで非課税にする制度)の拡充を目指しており、両者の溝が埋まっていないようです。
日本版ISA導入は優遇税制廃止に伴うショックを和らげるという目的があるので、3年間の時限措置であり最大300万円まで(年間100万円x3年)と時期にも金額にも制限があります。
制度の詳細が不明ですが、恐らく既に保有中の株100万円分を非課税口座に移管して、その時点から10年間は非課税にすることはできないのではないかと思います。
そうなると、優遇税制廃止とセットで非課税口座の100万円(~300万円)のタネ銭作りの為に、投資家に一斉に手仕舞い売りを煽って思いっきり逆効果になると思うのですが(笑)、それは置いておいて・・。
そもそも、優遇税制廃止するから一時的に日本版ISAを実施するという考え方に無理があると思います。
今の高校生と20代と50代と70代で公平性を考えるとどうなるでしょう?
高校生:成人したときには制度がないから何の恩恵もない。
20代:年間100万円を投資に回すのは難しく、それなら年間10万円x30年にしやがれ!
50代:一番オイシイ!貯金もタップリで300万円の資金を用意できる人は多い。定年後に無税で引き出して老後資金!
70代:資金的には充分な人も多いが、10年間も無税だと逆に使わずに終わるかも!?
と、10年間無税で長期の資産形成に有利なのに、若年層が恩恵を受けずに不公平な制度です。
(今の政治じゃ、なんでもそうだけど。)
50代に有利と言っても、(なかなか浸透しない)日本版401Kもあるし、似たような仕組みでサービスし過ぎでは?
20代にとっては、60代にならないと引き出して使えない制度(401K)は気が遠くなる程先のことであり関心が薄いが、10年後なら無税で(増えるか減るかは知らんけど!?)引き出して使えれば関心を持って、それをきっかけに投資に更に嵌ってくれる(本人にとって良いか悪いかは知らんけど!?)ことも考えられる。
借金で首が廻らない国が、投資家から今以上に税金徴収することを考えるのもわかりますが、導入するなら日本版ISAを恒常的な制度にすべきでしょう。
また投資にはタイミングが重要であり、国が定めた3年間が10年ホールドするため株を買うのに適している時期とは限らない・・。
そういう意味でも、時限措置は適切ではないと思います。
また、日本版ISAだけではなく、損益通算範囲の拡大を含めた金融所得一体課税や株現物以外の特定口座制度なども優遇税制廃止とセットで議論されるべきもの。
1年後にそれらも含めて整理されて証券会社やFX業者の対応が間に合うとは思えないのですが、優遇をやめると言いつつ何度も延長してきた経緯からも、決めきれずになし崩し的にまた延長される可能性もあるかな~と思います。
右往左往の金融税制がどう変わるかにより、投資行動も影響を受けるので、しっかり押さえておきたいですね。
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コメント
俗に2-8の原理と言われているものですがFXは元々レバレッジの効いた金融商品なので上位のごく一部の顧客によるポジションが全体の9割以上を占める(当然それによる業者の利益も)というのも有り得ると思います。
日本版ISAは年間100万円までの「利益」ではなくて「投資額に対する利益」なのですね。
もしかして500円の株を千株買って、すぐにそれを売ってしまったらその年の非課税の枠は使い果たしてしまうということなのでしょうか(それとも投資分だけということならば二千株ということになりますが)?
株価が右肩上がりの時代がすでに過去のものになった今日、確かに40年先の年金よりもオイシイという見方もありますが株価はゼロになる可能性のあるものなので非課税だからという理由だけで長期保有させようというのは甘すぎると思います。
株式譲渡益課税の増税に伴う日本版ISA以外でも今の政府が企んでいる法人税減税と引き換えの措置や相続税増税にともなう相続時精算課税枠の拡大(単なる時間差でこれにより贈与税の基礎控除枠を使った暦年贈与のメリットを失うだけ)などは全て実質的な完全増税であり「マヤカシ」の一語に尽きるのではないでしょうか。
まあ経済界からは「実質減税でなければ法人税減税はいらない」と釘を刺されているようですが・・笑。
>日本版ISAは年間100万円までの「利益」ではなくて「投資額に対する利益」
そうです。
売買総額ではないので、500円の株を二千株買って直ぐに売却すれば、その年の枠は使い果たす。
逆に最大10年持てば、その間の配当を含めキャピタルゲインも無税、と理解しています。
現実には有り得ませんが、100万円が10年で100倍になって一億円に太っても全て無税のはずです。(笑)
(日本株のみならず、ETF・投信も対象で外国モノへの投資に使うことも可能だと推測します。)
税制改正に関しては様々な情報が出てきていますが、バラマキの財源を増税で賄うことは民意ではないはずで、民主党が財源を確保できずに公約を守れないなら(守るべきではないのですが)、バラマキを選ぶか、増税をミニマイズすることを選ぶかを国民に再度問うべきだと思います。
膨れ上がる国民年金・健康保険への財源に税金投入が避けられないなら、バラマキをやる余裕はびた一文もないはずと思いますが・・。
この国が倒れないと考える方が不思議です。(笑)