「ものづくり」大国ニッポンの落日!?台湾の鴻海がシャープ筆頭株主に!

シャープが電子機器製造受託最大手の台湾・鴻海精密工業と資本・業務提携を発表しました。
出資比率は約10%で鴻海がシャープの筆頭株主にはなりますが、親子関係になる訳ではありません。
 
しかしながら、シャープ子会社の株式を46%取得することにより、大型液晶を生産するシャープ堺工場の生産量の半分を鴻海が引き取ることになります。
 
つまり、大手日本メーカーはシェア減少により国内過剰設備を手放し、台湾大手メーカーが喜んで「ものづくり」大国日本ブランドの日本工場を手に入れた訳です。
 
このニュースを受けて右肩下がりだったシャープの株価は急反発しマーケットは歓迎しましたが、日本の「ものづくり」神話がガラガラと音を立てて崩れるような悲観を感じている人も少なくないでしょう。
 
でもね、悲観したってしょうがないと思うんですよ。
時期と程度の問題だけで、このトレンドは予想できた訳です。
 


「ものづくり」で韓国・台湾・中国にイロイロと負けたことは事実であり、負けた分野で日本が劣勢に立たされ力関係が逆転することは避けられない。
 
戦後に日本が欧米を真似て電化製品を作って輸出しても「安かろう悪かろう」と欧米からは舐められていたが、その後立場は完全に逆転した。
日本は欧米と同じように慢心して、中台韓の「ものづくり」を上から目線で日本が負ける訳がないと舐めていなかっただろうか?
 
元トヨタ社長の奥田氏が「日本は政治も経済も世界から2周も3周も遅れた」と発言しましたが、経団連会長を8年間も務めて財界トップに君臨して政治経済に影響を及ぼした人が79歳にもなってこのような発言をするのは如何なものか?
(あなたは日本経済における敗軍の将ちゃうの?)
 
遅れたとか進んだとか、前とか後ろとか、そういう次元ではないように思う。(特に政治は・・。)
もっと言えば、「3周遅れた」という物言いに貧困・貧弱な「坂の上の雲」発想を感じて、奥田さん、その貧困な発想がバブル後の日本を駄目にしたのではないのだろうか?
 
自動車でもインドのタタが30万円で出した車を、後進国が頑張ってはいるけどこの品質では日本人は誰も乗らないと、今は上から目線で世界のトヨタなら嘲笑できても、トヨタの車も世界からそう見られていた時期が昭和にはあった訳で、タタが30万円でカローラを上回る品質の車を出して、購買力の落ちた日本人が喜んでタタに乗る未来がやって来ないと誰に断言できるだろうか?
 
「ものづくり」から脱却を目指すでもなく、「ものづくり」に執着するのでもなく、日本にとって今後も「ものづくり」は重要であり続けると思います。
 
ブラジルや豪のように恵まれた資源も農産物もない、米英のように金融立国を目指すには資質も文化も欠ける、こんな小さな島国の富の源泉が「ものづくり」であったことを忘れるべきではないし、「ものづくり」で負けたことをもう日本は成熟国だからなどとトンデモナイ勘違いや誤魔化しをすべきではないと思う。
(3周遅れの日本で一体何が熟したのか?)
 
SHARPの「目のつけどころがシャープ」だったのかはわかりませんが(!?)、最近使っていたスローガンは「目指してる、未来がちがう」でした・・orz。
 
茶化したくなりますがマジメな話、日本の「ものづくり」は何周遅れたから追いつけ追い越せと「坂の上の雲」(ナンバー1)をいつか来た道で追いかけるのではなく、シャープが言う通りに「目指してる、未来がちがう」(オンリー1)を誰かの真似ではなく体現すべきなのだ!
 
「ものづくり」が日本の大きな強みであることは今後も変わらない!
日はまた沈む分野があっても、日が新たに昇る分野も作るべし!
 
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