以前から世界のETFに投資できる独自の画期的商品と仄めかして、専用サイトも立ち上げて相当な力の入れようであることは伝わります。
https://www.triauto-etf.jp/
通常の海外ETF現物取引と比べて、
●元本為替リスクの影響ゼロ
●圧倒的な低コスト(売買・両替手数料ゼロ)
●1万円の少額から始められる
と比較相手の弱点を突いてアピールしていますが、画期的なETF取引が出来るサービスなんでしょうか?
私も以前からどんなサービスを出して来るのかと興味はあってイメージも持っていました。
実際に取引した訳ではないしログインもしていない状況で確実に理解した訳ではありませんが、私なりに超訳するとこうなります。
●店頭CFDサービス
●対象商品は世界のETFに限定(当初は日米市場のみ)
以上!(自動売買機能については見てないので、このエントリーでは含めない)
特別に画期的な新商品という訳ではないと思います!?
店頭CFDであれば、為替変動の影響を受けずに証拠金取引で売買・為替手数料も掛からないのが普通です。
他社の店頭CFDサービスでも株価指数やETFを取引できます。
手数料は取らないが、ブローカーの収益源はスプレッドですね。
トライオートETFも同様で、その部分だけを見れば海外ETFを現物で売買するよりも低コストかも知れません。
しかしながら、店頭CFDは通常買い建玉に金利調整額が発生します。
現物と同じように買って数年ホールドされてもブローカーは儲からないので金利に数%を上乗せし、これがブローカーの収益源になっていると思われます。
上乗せ分は概ね2.5から3.0%ではないでしょうか?
1年ホールドしてこれだけ抜かれると、なかなか長期では運用しにくいです。
しかしながら、トライオートETFではこの部分でも頑張っています。
「買い建玉= ETFの終値(仲値) * 保有口数 * (1.25%+Libor) * 付与日数/365」
なんと取り分を1.25%に抑えているのです!?
これは店頭CFDの中では画期的だと思います。(因みにくりっく株365はこの上乗せが0%!)
でも、こき下ろした現物ETFでは一切掛かりません。
当然ETFの信託報酬も別途価格に反映されるので、1年間ホールドするコストは2%近く掛かるでしょう。
トレーディング・取引よりもETFに特化して投資・運用をアピールしていることから、これでも他の店頭CFDより頑張っていることは伝わってきます。
でも結果として長期になる場合はあっても、世界のETFへの長期投資を前提として使うには金利調整額がネックになりますね。
開始時の21銘柄にはなかなか興味深いものもあります。
東証の日経225、TOPIXは勿論のこと、米国で私が目についたものを挙げると、
iシェアーズ MSCI ACWI ETF(ACWI)
iシェアーズ 中国大型株 ETF(FXI)
SPDR ゴールド・シェア(GLD)
SPDR S&P 500 ETF(SPY)
バンガード FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO) など
今後も銘柄増えていくと面白いと思うし、わかりにくい店頭CFDをETFに特化して作り込んでシンプルにした目の付け所は良いと思います。
しかしながら、現状ネット証券で海外ETFに投資している層を取り込みたいのなら金利調整額をせめて年間0.5%程度に抑えて欲しかった。
確かに海外現物は為替・取引手数料が高いので、彼らはトレーディングせずに比較的長めに持ちます。
個人的にはまだスプレッドの広狭も確認していないし、現時点で切って捨てるには惜しいサービスです。
今後の銘柄追加や展開を見守ると共に、ほなワシらはどうやって儲けるんじゃいという声が聞こえてきそうですが金利調整額の更なる低廉化を期待します。

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