午後10時からやっていたNHKスペシャルを観ました。
大河ドラマ「天地人」は見ていませんが、沸騰都市シリーズは南アフリカもブラジルも見ました。
こういう番組をやってくれると、受信料を払った価値があると少しは思えます。
お蔭で、米国の自動車産業が崩壊しかけている理由がよくわかりました。
仕組みは住宅のサブプライムローンと全く同じですね。
GMは数年前から業績が悪化していました。
GMの子会社GMAC(自動車ローン会社)が誰彼構わずローンを通すことで、GMは販売を維持します。
ローン申込者は申込書に名前・住所・生年月日・社会保障番号・職業の5つを記入するだけで審査が通ります。(これぐらいはツタヤの会員になる時でも書かされそうだけど・・)
申し込めば審査が通るので、このままでは取りっぱぐれてGMACが潰れてしまいます。
GMACはローン債券をウォール街に売り、全くリスクを負わない方法を考えました。
でも、それではウォール街が潰れてしまいます。
そこで、ウォール街は自動車ローン債券に金融工学の魔法をかけて(なんと格付けAAAで)証券化して、世界中の金融機関や投資家に売ってリスクを負わない方法を考えました。
結果、GMもGMACもウォール街も潤う(筈だった・・が天罰!)
これで合法的な完全犯罪の成立です。(勿論NHKはそうは言っていない)
証券買わされた金融機関や投資家は、まさかハマーを購入した人のローン審査が住所と年齢と職業だけで行われているとは夢にも思わないでしょう。(なんせ格付AAA)
サブプライム証券もそうなんですが、ミソと○ソを混ぜるとミソではなくどちらかというと○ソじゃない。
違うと言うなら、食べてみな!(食事中の方スミマセン!?)
持ち家と同様に、車も経済的に所有すべきではない人にもほとんど無審査で金を貸すことでGMは利益を維持してきたわけです。
番組を見てよくわかったことは、今回の金融危機で自動車が売れなくなったのではなく、元々売れないものを無理矢理持ち上げていた魔法が通じなくなったということ。
つまり、景気が回復しても金融危機前の水準に米国の自動車販売が戻ることはないのでしょう。
また、日本の自動車部品メーカーの苦境も伝えられていましたが、日本のある部品メーカーの社長さんをニューヨークの投資家が自分のジェット機で中国に連れて行って、中国の自動車メーカーに売り込みを掛ける場面がありました。
ちょっと残念だったのは、不況で厳しいと言いつつ、外人投資家に示唆されないと新興国に売り込みを掛けるという発想がないのかな?
日本の下請け製造業は世界一の技術を持っていることも多いのに、世界に視野のある経営者や外国語を駆使してネゴできる人材がいないと、せっかくの“ものづくり”も大手日本企業の系列と狭い日本市場だけに留まってしまいます。
日本国内と欧米輸出で凹んだ分は新興国市場に食い込んで埋めていく攻めの発想が全体的に足りないのかも知れません。
技術に自信があれば、トヨタ・日産・ホンダにだけ依存するな!
(色々と難しいのはわかっていますが・・。)
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