狂気と正気が混在する米国!サブプライム後の世界でもリーダーたる資格はあるか!?

私は以前、米国は悪もはびこるが正義も失わないので日本のような酷いことにはならないかもと書いたことがあります。
今も基本的にはその考えは変わっていません。
 
その米国の正義を感じさせてくれたのが、AIG危険の高額ボーナスを税金で取り返してしまう法案を直ぐに可決してしまったことです。
●政府から援助を受けている企業の幹部に支給された賞与に90%の税金を課す
●50億ドル以上の資金援助を受けている企業で25万ドルを越える報酬を得ている幹部が対象
 
これを公的資金から捻出されたAIG危険のボーナスを取り返すためだけに下院でスピード可決してしまいました!
 
素晴らしいの一言です。
 
法的にあーだこーだ、前例があーだこーだ言わずに、不正義を取り締まれないなら間違っている法律をとっとと変えてしまえと実行してしまいます。
 
対極にある日本だけではなく、こんな素早い対応が出来る国は他にないでしょう。(他には一党独裁の中国ぐらいか?)
 
伝統と歴史の浅い大国の強みかも知れません。
 
この対応は小さなことに思えますが、非常に重要なことだと思います。
 
不況時には痛手があっても膿を出し切ることが重要なのです。
 


AIG危険のボーナスは大きな膿です。
 
金に目が眩んで、悪魔に魂を売り渡した、腐れ金融インテリの狂気ほど恐ろしいものはありません。(言うよねー!)
 
「我は物質なり」の唯物論に与しない私は、天の逆鱗に触れて世界は今闇に閉ざされていると捉えます。
 
経済の脇役・裏方であるべき金融機関が本分を忘れて経済の真ん中でデカイ面して暴れ出すとどんな痛いしっぺ返しが待っているかを、日本の”Lost decade”から米国は学ぶべきだと思うのです。
 
今米国の銀行・証券・保険全てに天罰が落ちているのは日本のバブル崩壊時と同様です。
 
その根底にあるのは、倫理・理性を失い暴走した人間のむき出しの欲望です。
 
金融工学は進歩しても金融マンの精神は進歩しない、いやむしろ堕落するのなら、アタマはよい彼らがほとぼり冷めた頃にまた悪さをしないように、法律で潰しておく必要があります。
 
何が彼らの堕落を促したのか?
(彼らから、自分達はとんでもないことをやらかしてしまったとの反省を感じ取れるでしょうか?)
 
バッドバンク構想が有効か?、FRB国債買い入れが有効か?などのややこしい議論の前に、踏み外した人の道から軌道修正して心を入れ替えることの方が遥かに重要だと思うのです。
 
本人達に自覚がないなら、全世界の皆様に迷惑が掛からないように獣扱いで檻に囲うしかありません。(言うよねー!)
 
 
共産主義がほぼ壊滅したのは世界にとって不必要で害が多いと判断されたからでしょう。
 
マルクスが何と言おうと、神にはなれない未熟な人間の欲望を封じ込めれば社会はおかしくなる。
 
資本主義は共産主義に勝利し祝福されたのではなく、不美人投票で代わりに残っただけだ。
 
共産主義の対極にある、勝てば官軍のアメリカ型自由奔放資本主義。
 
300円の宝くじに夢を掛けなくても、手段を選ばず会社を儲けさせれば数億円のボーナスを手にすることができるが、欲望むき出しでも社会はおかしくなる。
 
こんなものが祝福されるはずがない!
 
世界は新たなパラダイムを求めている。
 
米国はChangeして世界のリーダーであり続けることができるのだろうか?
 
守りに入らず新陳代謝して歩を進めることを止めないフロンティアスピリットにその可能性を感じない訳ではない。
 
でも、私は超大国として曲がり角を曲がったと感じるのだか・・。
20年後にようやく、あの絶頂が曲がり角だったと薄々感じるものかも知れない。同盟国のように・・。
 
(う~ん、今日もキツイけど自己満足の出来栄え。こんなブログを読んでいる日本全国たった500名の皆さんは目の付け所が違うね~。)
 
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コメント

  1. オージー より:

    そうですねー。
    アメリカがなんだかんだ言われても魅力がある理由は自由と個人主義(後者は欧州にもありますが)にあるのではないでしょうか。
    今回のAIGの問題にしてももしこれが日本でおきていたら到底同じような処置は取れなかったと思います。
    バーナンキやガイトナーが叩かれるのもいかにもアメリカらしい(良い意味で)。
     
    同時多発テロの時、アメリカは一気に右に傾きましたがすぐに反動がきましたよね。
    国民を精神論で手なずけて思想統制までしてばかな戦争をして負けても自分達の力で責任追及すらできないどこかの国とはさすがに違います。
    ある強い勢力があってもそれに相反するもうひとつの勢力が常にかなりの割合で存在するということがネックなのではないでしょうか。
    日本では美徳のように言われている「自己犠牲」(私はこの言葉は大嫌いですが)という観念は欧米人にはほとんどありません。
    自己犠牲という言葉は権力者が自国民の生殺与奪権を容易に手にする道具であるということを知っているからです。
     
    アメリカは今までの金融ビジネスモデルがすでに崩壊しています。今までとちがって戦争をして窮地から脱却というシナリオも無理な感じです。
    ヘリコプターベンはばら撒きで借金経済のバブルを再び起こそうとしているのが見え見えなのですが、縮小均衡に向かいつつある状態でこれを行ってもドルの信用を落とすだけの結果になるかもしれません。
     
    パラダイムシフトの時期は近いように思えます。

  2. なぞペン より:

    AIG賞与問題への対応、すごく速かったですね。
     
    ガイトナー財務長官が知っていた? 知らなかった? とかでモメているようですが、決めるべきことを先に決めるところはさすがアメリカです。
     
    どこかの国では給付金をもらうとかもらわないとかのどうでも良い議論や、難読熟語の漢字テストを議会でするとか、まぁちょっと普通では考えられないことをやってましたが、大違いです。
     
    「拙速」という言葉がありますが「拙」でも「速」だからまだ許される可能性があるのであって、やっとできた第1弾の景気対策に4ヶ月も費やさなければならないのとは何事もスピード感が違いますね。
     
    アメリカは、そしてドルは、もしかすると世界第1位(=リーダー)の地位は危ういかも知れませんが、世界の警察として頂点に立っているよりも、今のように一生懸命に諸問題の解決・前進を図ろうと、そして各国と協調しようとジタバタしている姿勢を示し続けることができるのであれば、それはアメリカがCHANGEして新しいリーダー像を示している証左となるのかな、と私は思います。示し続けられれば・・・の話ですが。
     
    #いつも素晴らしい文章、楽しみにしています。ポチ!

  3. 太助 より:

    オージーさん、
     「自己犠牲」という概念は私にもほとんどありません。(笑)
    今や日本の国にも企業にもそんな事を言う資格はないはずです。
    某自動車メーカーの部長以上が自社の新車購入を自主的に決めたとか、某電器メーカーが管理職に10万円以上の自社製品の購入を命じたとか、今は昭和何十年?とビックリします。
    定年までの雇用を保証できる(可能性のある)数少ない大企業だからかも知れませんが。
     そうですね、こういう内容を書くと引く人も多いのですが、世界経済が緊密化し過ぎている時代に米国が弱体化しても大規模な戦争は考えにくいと思います。
     ヘリコプターベンがドル紙幣を刷って刷って撒いて撒いてですね。(笑)
    リスクシナリオの(巷で噂されるような)ウルトラCまで考えているのか興味があるところです。
      なぞペンさん、
     そうですね、どこかの国は本当に箸にも棒にも掛からなくなってきましたね。
     米国は今も魅力のある国であることは変わりないですし、他国が真似できない強みもありますね。
     オバマ大統領が米国民に新たな米国のあり方を示して、超大国から滑って大国の1つにソフトランディングするというのが今の読みです。
     じゃあ代わりのリーダーはと言われると、中国は経済面以外では直ぐには無理でしょうし、ロシアは論外、欧州は経済大丈夫と見当たりません。(笑)
    1国が世界の政治・経済・文化の中心である必要がないのかも知れません。

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