上げ続けるNYダウと下げ続ける新興国!中国利上げで逆デカップリングのトレンドは変わるのか?

今年に入ってから全体的に強気相場なのか弱気相場なのか?
この受け止め方は人それぞれだと思います。
 
何故なら市場がバラバラの動きをしていて、上げ続ける市場もあれば下げ続ける市場もあり、投資対象によって大きな差が生じているはずです。
 
ザックリ言えば、先進国株は上昇基調、新興国株は下落基調、コモディティはバラバラ(金下落・ソフトコモ上昇)です。
このような非連動が短期間で生じることは珍しくありませんが、今はこのトレンドが2~3ヵ月続いているように思います。
 
特にNYダウの上昇とインド・ブラジルの株価下落は対照的です。
ある意味、デカップリングなんですが向きが逆だろ!
 
インド・ブラジル共に11月のQE2発表時に過去最高値に迫りましたが、結局そこから2月の今現在まで下げ続けています。
一方、NYダウは11月こそ軟調でしたが、12月以降は大きな調整もなく2月の今現在まで一貫して上昇しています。
 
何が悔しいって、ヘリコプター・ベンの狙い通りに米国の株式市場にじゃぶじゃぶマネーが流入して、まさに「米国の米国による米国のためのQE2」が世界に迷惑を掛けながら米国に(今のところ)有利に働いていること。
 


で、ベンちゃんは食料品価格の高騰もQE2とは関係ないし、米国のインフレは低水準だからOKだし、新興国のインフレは新興国の需要増が招いているから新興国が解決しろと、なんともアメリカンなことを言いよった!?
(アメリカのルールブックは世界のルールブックだ!)
 
インフレと金利上昇を警戒して、行き先を失ったじゃぶじゃぶマネーが新興国から米国にシフトしたからこそ、米国株と新興国株の反比例とも言える非連動が起きていると考えられます。
 
この流れは1月のブラジル・インドの金利引き上げ発表後も変わらず、むしろ下落が加速した感があります。
この流れを止めるのが今週発表された中国金利引き上げと期待していたのですが・・?
 
新興国の中でも最も警戒されていましたが、発表直後は豪ドルが下落するなど反応がありましたが、NYダウを中心に織込済との反応で動揺はありませんでした。
ところが、旧正月明けの上海株は0.9%の下落、香港H株は約2%の下落で、微妙ですが織込済とは言えない反応を見せました。
 
中国でも、米国株は巻き添いにせず自国だけ下げて逆デカップリングかよ!
発表直後は織込済でも事実で売られるのは仕方ないので、大事なのは今日以降踏ん張って上昇トレンドを描けるかどうかです。
 
そうなれば、新興国全体の警戒感も和らぐと思います。
心配なのは、上げ続ける米国株もいつ大きめの調整が始まってもおかしくないと思っていますが、米国株が下げた時だけは新興国株がお付き合いすることがないかってこと。
 
下げる理由にもよるでしょうが、じゃぶじゃぶマネーが米国株から逃げて新興国株に流れ込めば本当のデカップリングだと思います。
 
そういう意味では、長期的観点でQE2が米国市場と新興国市場あるいは世界とのデカップリングの始まりを象徴しているではないかと・・?
それなら、新興国の今の下げも決して悪いことばかりではなく、米国や先進国に依存しない独立独歩への試練なのかも知れない。
 
今後の市場の動きで、これらを確認したいと思います。
 
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コメント

  1. オージー より:

    アメリカの株高は大統領選に向けた国策だとも言われていますね。
    過剰緩和で露骨にドル安誘導して新興国に迷惑なインフレを輸出した結果、これらの国々が引き締めモードにはいって警戒感から株価が下落しているようですがこれまでアメリカ人は自国通貨安もあってどこの国に投資しても一番利益が出るようになっています。
     
    何せ住宅関連の不良債権を腐るほど抱えているFRBですから「何が何でもインフレにして住宅価格を吊り上げたい」のでしょう。
     
    市場もこれを知っていてダウなどが場中で下落したりすると引け前に力ずくでこじあげて堅調さを演出するような展開が多いですね。
    米株の場合、明らかに「つくられた」相場であるということは周知であり、他の先進国の株価も追従しているようですが、ここ数ヶ月のバルチック海運指数の推移などを見ると実態経済とのギャップを感じます。

  2. 太助 より:

    ダウは本当に昨夜も崩れるかと思ったら、持ち直して引けるんですよね。
    「つくられた」相場による資産効果で、懐が暖まったアメリカ人の消費が刺激されて、実体経済が相場に近づいてしまえば、バーナンキの思惑通りなのでしょうが、そうは問屋が卸さないだろうと思うのですが・・。

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