どんな天才も加齢による思考力や判断力の低下には抗えないのかなあと氏に対して思うことも多くなりました。
今年に入ってからバフェット銘柄としても有名な小売り大手のウォルマート株をほとんど売却しました。
大きな理由の1つはネット通販に浸食されているからでアマゾンの影響が一番大きいことは明らか。
更には、今年IBM株の保有も大きく減らしました。IBMに立ちはだかったのもクラウド事業にも強いIT企業の顔も持つアマゾン。
IBM株への投資は比較的新しく2011年からの保有なので、バフェットが5〜6年で手放すのは長期投資の見通しを最初から誤ったと言えるかも知れません・・。
更には、業績低迷のGE株も見切り売りで全て売却したようです。
また、不祥事が続く金融ウェルズ・ファーゴの保有も少し減らしたようです。
一方、アップルは買い増しして今やバフェット(バークシャー)銘柄の第3位に位置していますが、最初の保有が明らかになったのは2016年初めなので凄いペースで買い入れています。
今年の株主総会では自分のポートフォリオに打撃を与えたアマゾンを賞賛し、投資機会を逃したことを失敗だったと悔やみました。
また、グーグルについても同様の考えのようです。
友人のビルゲイツが創業したマイクロソフトに投資しないことも「わからない」「ITは苦手」としていたバフェットが、老舗ITのIBMに投資したことも驚きでした。
バフェットがITの中で選ぶならビジネスモデルもわかりやすいIBMかなと思う反面、IBMの長期的成長には懐疑的で何故自分の禁を破ってITに手を出す必要があるのかと思ったのが反面。
アップルに手を出し始めるのが遅すぎるし(バフェット流ではシェアを確保して高価格で利益を稼いてビジネスが継続出来る礎が築かれたと判断できるまで美味しい時期はスルーするのが定石かも知れないが)、グーグルやアマゾンを買わなかった(バフェット流では買えなくて当然の)ことを悔やむのもバフェットらしくないと思う。
GEやウェルズファーゴも含めれば、バフェット銘柄の中で長期投資に値しない銘柄が増えてバフェットの神通力に陰りが見られて、天才も86歳になれば判断力や思考力が落ちて来るのは抗えないことでやむを得ない面もあるのかも知れません。
しかしながら、アマゾンに負けたIBMやウォルマート、急いで組み入れているアップルのIT関連に限れば、「わからないものには手を出さない」バフェット流では太刀打ち出来ない100年単位の大きな時代の変化を象徴しているのかも知れません。
オフィスの机にパソコンも置かないバフェットがアマゾンを高く評価できたとも思えません。
(能力を言っているのではなく、見て触れて感じないモノは「わからない」から投資出来なかった筈)
おそらく両方の影響があると思いますが、86歳のバフェットも自分の基本方針を変更してまで対応しないと、長期投資の前提となる安定的な社会インフラさえIT企業が握って大きく未来を変えてしまい兼ねない(スマホ、AI、自動運転、IoT等)時代の大きな転換点を象徴しているのかも知れませんね。

コメントを書く