SBIアセットマネジメントが東証上場承認を受け、「SBI サウジアラビア株式上場投信」(273A)を10月31日に設定・運用開始と発表しました!
このETFには2つの「初」があり、日本「初」のサウジアラビア株価指数連動型ETFであると共に、SBIアセットが組成する「初」のETFになります。
驚きなのはその信託報酬で一瞬目を疑いましたが、中東の新興国サウジでなんと税込0.1925%という低廉コスト!
サウジアラビア株式連動である米国ETF(KSA)が経費率0.74%、香港ETFが経費率1.20%に対して東証ETFが約0.19%ってどういうこと?
おそらく圧倒的に世界最安のサウジETFが東証に上場することになるのだと思います。
このETF上場は5月に報道された日本とサウジの政界トップ同士で合意した協力案件の1つであり、現地の情報通信大手NTGグループと業務提携して組成したことにより、日本のSBIだけ大きなコストダウンとなり低信託報酬で提供できる便宜があったのでしょうか?
東証ETFの連動対象指数は「MSCI サウジアラビア・インデックス(円換算ベース)」ですが、米国ETFのiシェアーズ・MSCI・サウジアラビア・ETF(KSA)は「MSCIサウジアラビアIMI・25/50インデックス」連動なので、同じMSCI社のサウジアラビア株指数でも若干異なるようには思いますが、KSAの直近分配金利回りが(ブルームバーグのデータでは)税込2.9%あるので、東証のサウジETFも3%前後の高分配金が期待できるかも知れませんね。
(分配金利回りの確認を含めて慎重な人は運用実績1年を待った方が良いでしょうね。)
サウジの株価指数と言ってもイメージや今後の予想は本邦投資家にとっては難しいと思われますが、SBIアセットの説明によれば、
「世界一の産油国である中東アラブの大国であるサウジが2016年に発表したサウジの「サウジ・ビジョン2030」で謳っている3つの課題解決(@脱石油依存経済、A雇用の創出、B効率的な行政)により持続可能な経済成長を目指す、という画期的且つ具体的な国の政策に注目しています。
これらの改革により、サウジアラビア市場は急速に発展しており、投資機会が増加し、これまで日本に馴染の薄い中東への投資機会を提供する事により、個人投資家ポートフォリオの多様化、長期的な資産形成に貢献出来ると考えています」
とのこと。(わからないから丸投げ!)
確かに対象指数の騰落率は過去3年で45.9%、過去5年で105.9%と高い伸びを示しており、2016年発表のビジョンとそれに沿った改革が投資家の期待も集めているように思えます。
では、サウジって新興国の中でどの程度の存在感や規模感があるのでしょうか?
私もサウジは新興国の中でも1-2%程度のシェアではないかという程度の認識しかありませんでしたが、現状は成長した結果異なります。
MSCIエマージング指数に連動するeMAXIS Slim新興国ファンドの直近月次レポートで確認すると、なんと国別シェア3.8%で7位に位置して6位でシェア4.2%のブラジルに肉薄しています。
サウジアラビアの下に南ア2.9%、メキシコ1.9%、インドネシア1.7%が上位10カ国に並んでいるので、中東のサウジアラビアは新興国の中で存在感が高まり既に上位国の位置付けですね。
新興国ファンドを100万円分買い付ければ4万円弱がサウジにも投資される訳ですが、もう少しチャレンジしてサウジの比率を上げてみようかという時に東証サウジETF(273A)の出番ですね!?
私もサウジ株に特段の期待や優位という判断がある訳ではありませんが、新興国好きとしてはSBIアセットが驚愕の信託報酬0.19%で頑張って出してくれたことにも敬意を表して、どこかのタイミングでサウジETF(273A)を小規模に留めつつ買い付けて保有したいと思います。
また、今回の件はSBIアセットが初のETF組成で競合が存在しないにも関わらず低廉な信託報酬を設定したことを高く評価したいと思います。
今後もSBIアセットが続々とETFを投入するのかは不明ですが、その場合は次々と価格破壊的な信託報酬を設定して東証ETFを活性化させることを大いに期待します!

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