2016年11月28日

トランプ大統領と英EU離脱は「民主主義」の勝利なのか?終わりの始まりなのか!?

キューバのカストロ議長が亡くなりましたが、戦後の米ソ冷戦の象徴である「キューバ危機」の当事者がこのタイミングで地上から去ることは新たな時代の到来を感じさせないでもありません・・。

さて、前2回ともに今年起こった米トランプ誕生と英EU離脱決定を取り上げましたが、今回は「民主主義」という観点で考えてみます。
私は選挙の際にメディアや評論家が使う2つの決まり文句にいつも違和感を覚えます。

「国民の審判」?
まるでそれが聖なる人達の清く正しい判断であるかのように連発するが、審判する側には能力も努力も精神も求められるのに伴っているのか!?

「有権者はそこまでバカではない」?
評論家が選ばれるべきではないと考える候補や全体には利益をもたらさない政策・政党を、有権者は避ける最低限の知力・精神は備えているという趣旨だと思いますが、その根拠は?
その言葉が出てくるということは、俺よりは確実にバカだし、「そこまで」ではなくてもある程度は間違いなく「バカ」だと判断している訳です!?

でも、「では一体有権者はどこまではバカな(あるいは賢い)のですか?」という質問に答えられる自称「バカでない人」はいないでしょう。
「まさか」のトランプやブレグジットの選択は充分「そこまでバカ」のレベルに達してはいないのか!?
こういう人達って「民主主義」神授説を無意識も含めて信仰し過ぎなんだと思いますよ。

少なくとも私が充分2つの「まさか」が起こり得ると考えたのはこういう立場を取らないからだし、それを前提にしているから大衆の最終判断に驚くんですよ。

誤解を恐れずに言えば、平均60点の答案に書かれる回答が「民主主義」でもあり、そこに「トランプ」「ブレグジット」と書かれていたとして何故驚きがあるのでしょうか!?
60点の答案内容を一番予想できないのが90点以上の評論家や有識者であり、庶民ともほとんど関わりがないであろう彼らに「どこまでバカ」なのか知る由もないんだって!

誤解を恐れずに言えば、(好まない表現ですがわかりやすく)「民主主義」とは偏差値50の意思決定に過ぎず、その結果が社会を滅茶苦茶にするリスクも多分にあると考えます。
「民主主義」を少しでも否定するとアレルギーや拒否反応を起こす神授説妄信者が多いこともわかりますが(そういう教育を受けてきたし、そう信じている朝日とかの大メディアも煽るからね)、目的としての「民主」が手段としての「民主」により達成出来るとは限らないという趣旨なんですよ。

米大統領選でも得票率はヒラリーが上回り単純な国民の多数決ならトランプは負けていた。
もし直前にFBIの再捜査報道がなければ?
ブレグジットも僅差であり悪天候の影響や投票の日時が違っていれば結果は変わったかも知れない。
日本でも大阪都構想の住民投票は僅差で否決であり、年齢別で見ると反対していたのは70歳以上だけというデータもあり、何十年後の未来を変えるための投票が一番関係ない人達の意思により阻害された(ある意味民主主義の大否定)という見方も出来ます。

少しのタラレバで結果が異なる僅差で未来は大きく変わってしまう(しまった)。
未来を大きく左右する大事な決定を有権者の判断(多数決)に委ねるのは「民主主義」の原則ですが(手段)、それが社会のために未来の自分たちのためになるのかはわからない「まさか」の結果が多い(目的)。

歴史の転換点はイデオロギーの転換点でもある。
トランプとブレグジットを選択した大衆の意思は「民主主義」の勝利を意味するのか?
それとも(グレグジットの頃から言っていますが)「民主主義」の終わりの始まりなのだろうか?

マーケットがトランプ大統領を歓迎して上昇しているように「ひょうたんから駒」の可能性もある。
「民主主義」神授説の識者が言うように大衆はトランプの経済運営を評価して投票したのではなく、もっと短絡的な(かつドロドロした)理由だと思いますが、トランプが過激さを修正して思いのほか上手く回るという可能性。

歴史の転換点では1つの出来事だけで未来の方向性を読むのは誤りも知れない。
内向き強硬トランプ誕生は米国の覇権の終わりか?
英国のEU離脱は衰退への道か?

1989年の天安門事件の頃にその後の中国の躍進を予想した人は少数でしょう。
1989年の大納会で日経平均が史上最高値を付けて終えた時には、誰もが1990年台も日本が世界経済の主役であると信じて疑わなかったでしょう。
負け組が勝ち組に、勝ち組が負け組へと「まさか」の逆転を見せるのが歴史の転換点。

もしかしたら、27年前の日本と同じようにトランプラリーで最高値を更新し続けるNYダウは長きに渡るパックスアメリカーナの最後の打ち上げ花火なのかも知れない。
もしかしたら、世界の警察やリーダーからは降りても米国が今後も繁栄を続ける狼煙に過ぎないのかも知れない・・。
第二次大戦後と1989年に匹敵するイデオロギーの転換が起こるとすれば、進歩のための「民主主義」制度の崩壊というプロセスがあってもおかしくはないと思います。

神授した覚えもないし、「民主主義」で神に成り上がった民衆が結果も引き受けるんだぞ、俺に似せて作った覚えもないお前らの自己責任だと「まさか」の試練を突き付けられているのかも知れませんね!?
世界の枠組みはトランプウォールならぬユルユルのトランプフェンスで侵入や崩壊を防げるのでしょうか!?
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posted by 韋駄天太助 at 11:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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