ゴールドマン・サックスに12年勤めて退社する社員が、ニューヨークタイムズ紙に経営陣を痛烈に批判する手記を寄稿して波紋を呼んでいます。
原文も全文も読んでいませんが、和訳の要約を拾って見ます。
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ゴールドマンが「かつてないほど有害で破壊的になっている」。
「容赦なく顧客を食い物にする姿を見て気分が悪くなる。この1年で5人のマネジングディレクターが自分の顧客を『muppet(操り人形、英国では「愚か者」を意味する俗語)』呼ばわりしていた」(ロイターより)
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社風の変化はロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)やゲーリー・コーン社長に責任があると指摘。
「デリバティブ販売の会議に出席しても、顧客をどのように手助けできるのかという質問をする時間が1分たりともない」「顧客からいかにどれだけ多くの金をもうけられるかということにのみ集中する会議だ」
「社風は常にゴールドマンの成功を支える重要な部分だった。・・・、残念なことに、今は働きがいをもたらしてくれた社風はかけらも見えない」(ブルームバーグより)
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この日(14日)のゴールドマン株価は3.3%下落し、同社は反論の声明を発表したが、金融規制改革派の議員も英FT紙も社説で取り上げ説明責任を求めるなど、ちょっとした騒ぎとなりました。
私には正直何故こんな騒ぎになるのか、2つの意味でわかりません。
まず第一に、円満退社ではなく辞める社員がその会社をボロクソに言うのは普通にあるし、日本ではB級週刊誌のネタにしかならないが、米国の大新聞社が何故大げさに取り上げるのか?
広告を出さなくなった東電と同じで(!?)、マスコミが支配力のあったゴールドマンを叩けるようになったのか?
第二に、日本で人気プロ野球球団を保有している大手新聞社のお家騒動と同じで、告発内容に驚きなど一切なく、ゴールドマンなら「さもありなん」なのにこんな内容で世間が驚くのは何故か?
私が思うより、世間はゴールドマンやウォール街がまともなビジネスをやっていると信じていて、この程度の内容でこの会社の評価が変わるのか?
この会社の株を買っている人は、金のためなら手段を選ばない「ゴールドマン」を評価していたのではないのか?
寧ろさすが合法的な金融詐欺師集団と株価上がるってオチが似合うと思うけど!?(笑)
振り返ると、このブログで私もゴールドマンにはちょっとした批判(?)を沢山書いてきました。
[元社員より辛辣な(?)ゴールドマン関連過去記事]
ウォール街デモは資本主義の終わりの始まり?
ウォール街とも戦うトレードはゼロサムならぬマイナスサムゲームだ!
ゴールドマンサックスの詐欺事件にサプライズはない!
ゴールドマンの錬金術発覚!?
ゴールドマンが過去最高益でボロ儲け!?世界最強のスペキュレーター!
ゴールドマンに対する私の評価はそれ以上でも以下でもないのですが、なんと言っても強烈だったのは、今回元社員が社風の悪化を招いたと指摘したブランクファインCEOがかつて言い放った「私は神の仕事をしている」という新興宗教の教祖様も腰を抜かす傲慢発言!
手段を選ばぬ金の男たち(ゴールマン)がアングロサクソン金融資本主義の総本山として、今後どのような推移を辿るか見守りたいと思います。
大げさではなく、資本主義を神に託されコントロールしていたつもりになっていた天狗たちの未来を通して、世界の未来が透けて見えるのではないかと思います。
いびつで不自然な存在が長く繁栄することは有り得ないという私の考えに変わりはありません。
(いやいや、別にゴールドマンのことを指しているのではなく一般論ですけど!?
まあ、偉大な神の使いから見れば、1マペットに過ぎないゴミ投資家の戯言ですし!?[笑])